こんにちは、
杉浦由佳です。
以前、TVで野口健さんを見かけました。
熊本で、車中で眠る被災者の健康のために、
足を伸ばして寝られるように、
テントを提供しているというニュースでした。
野口さんといえば、何年か前、
一橋大学に講演にいらしたときに
聴講させてもらいました。
そのときに、お話されていたことで
印象に残ったことの一つを、
今日は、ご紹介します。
それは、次のような主旨の話でした。
「若い人たちに向けて、
どうやったら大きな夢を叶えられるのか
おしえてあげてください」
などとインタビューされることがある。
コツのようなものを、
求められているのかもしれないが、
そんなものはない!
ただ、信じた道を地道に
一歩一歩諦めないで進んでいくだけだ。
難しい高山の登頂を成し遂げた直後の
インタビューだけ見ていると、
華やかに見えるかもしれないが、
その何百倍もの、
もっと地味で地道な時間を
過ごしている。
マスコミや有識者が若者に向けて、
まるで、どうかすれば要領よく
成功できるかのようなノウハウを
伝えていることがあるけれど、
はっきり言ってあんなのは嘘っぱちだ。
成功するのに、「近道」などない!
それを、ただウケがいいというだけの理由で、
そんな嘘っぱちを若者におしえては
絶対にいけない。
概ね、そんな内容だったと思います。
コピーライティングを学んでいると、
読者の注意を惹くための
鉄板のコンセプトがいくつかあります。
これを言われると、
多くの人がつい気になって読んでしまう。
その鉄板コンセプトのひとつが、
「楽ができる」
というものです。
「簡単に」
「たったの5分で」
「眠りながら」
「ただ聴き流すだけで」
「テンプレートにあてはめるだけで」
「毎日一粒飲むだけで」
今日も目にしました。
「たった10分間スマホ操作をするだけで、
月100万円の安定収入」
うーん。
先月、私はあえて真逆のコピーを書きました。
能力開発系プログラムのコピーです。
近道はない。でも、確実な道はある。
楽な道はない。でも、人生を楽しむ道はある。
自分がやるしかない。でも、そこには「絆」が生まれる。
ただ売れればそれでいい、
そういうコピーは、
もう書きたくないな、と思います。